グリッドトレードの中でも、特に人気があり、資金効率が良いとされているのが「ハーフ&ハーフ」戦略です。この記事では、ハーフ&ハーフ戦略の仕組みから、そのメリット・デメリット、そしてMT4/MT5の実際の運用方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。

1. グリッドトレードとは?
グリッドトレードとは、特定の価格帯(レンジ)内に買いと売りの注文を網目のように多数配置し、価格が上下に変動するたびに自動で利益を積み重ねていく自動売買手法です。 価格が一定幅下がるごとに買い注文を入れ、一定幅上がったら利確。逆に、価格が一定幅上がるごとに売り注文を入れ、一定幅下がったら利確する、というサイクルを繰り返します。この戦略の最大の魅力は、相場の方向性を予測する必要がなく、レンジ相場で威力を発揮することです。
トラリピ(トラップリピートイフダン)
国内のFX会社が提供する「トラリピ」は、このグリッドトレードを個人投資家が手軽に実行できるようにしたサービスです。あらかじめ設定したルールに従い、自動で注文と決済を繰り返します。ハーフ&ハーフ戦略も、このトラリピの仕組みを応用したものです。
2. ハーフ&ハーフ戦略の基本原則
通常のグリッドトレードは、設定したレンジ全体に「買い」と「売り」の両方の注文を配置します。例えば、米ドル円(USD/JPY)の145円から155円のレンジであれば、145円~155円の全域で「買い」と「売り」の両方のトラップを仕掛けます。 これに対し、ハーフ&ハーフ戦略は、このレンジを二つのゾーンに分割し、それぞれ異なる戦略を取ります。
ハーフ&ハーフの仕組み
- レンジの決定: まず、取引したい通貨ペアの過去のチャートを参考に、今後動くと予想される**レンジ(想定価格帯)**を決めます。
- 中央値の設定: レンジのちょうど真ん中に、基準となる中央値を設定します。
- 上半分(売りゾーン): 中央値から上のゾーン(例: 150円~155円)では、価格が上がったところで売る「売りトラップ」のみを仕掛けます。
- 下半分(買いゾーン): 中央値から下のゾーン(例: 145円~150円)では、価格が下がったところで買う「買いトラップ」のみを仕掛けます。
この「上で売り、下で買い」というシンプルなルールが、ハーフ&ハーフの核心です。これにより、相場が中央値より上にあるときは売りポジションだけを持ち、中央値より下にあるときは買いポジションだけを持つことになります。
3. ハーフ&ハーフ戦略のメリットとデメリット
メリット
- 資金効率の向上: 通常のグリッドトレードと異なり、ハーフ&ハーフは「両建て」をしません。両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りの両方のポジションを持つことです。両建てを避けることで、必要な証拠金が大幅に削減され、資金効率が良くなります。
- 精神的負担の軽減: 相場がレンジの一方の端に偏っても、片方のポジションは含み益を抱えやすいため、精神的なストレスが軽減されます。例えば、相場が上半分で推移している間は、売りポジションの含み益が積み重なっていきます。
- レンジ相場での安定した収益: レンジ内での細かな上下動を自動で捉え、コツコツと利益を積み重ねていくことができます。
デメリット
- 想定レンジ外での大きな含み損: 設定したレンジを大きく超えてしまうと、ポジションを積み増す方向が一方に偏り、大きな含み損を抱えるリスクがあります。
- ロスカットのリスク: グリッドトレードは基本的に損切り(ロスカット)をしません。そのため、想定外の急騰・急落が起こり、ポジションが増え続けると、強制ロスカットになる可能性があります。
- 中央値の設定が重要: ハーフ&ハーフ戦略は、中央値の設定が非常に重要です。中央値が適切でないと、片方のゾーンにばかり相場が滞留し、機会損失やリスク増大につながります。
4. ハーフ&ハーフの運用設定例
ここでは、具体的な設定方法の例を挙げます。
通貨ペア: 米ドル円(USD/JPY) 想定レンジ: 145円~155円 中央値: 150円
- 下半分(買いトラップ):
- ゾーン: 145円~150円
- 戦略: 価格が下がった時に買う(ロング)
- 設定:
- トラップ間隔: 0.2円ごと
- 利益確定幅: 0.3円
- ロット数: 0.1ロット(ミニマムロット)
- 設定例: 150円に一番上の買い注文を置き、そこから149.8円、149.6円…と注文を置いていく。
- 上半分(売りトラップ):
- ゾーン: 150円~155円
- 戦略: 価格が上がった時に売る(ショート)
- 設定:
- トラップ間隔: 0.2円ごと
- 利益確定幅: 0.3円
- ロット数: 0.1ロット(ミニマムロット)
- 設定例: 150円に一番下の売り注文を置き、そこから150.2円、150.4円…と注文を置いていく。

5. ハーフ&ハーフを成功させるためのポイント
- レンジ設定の重要性: 過去の相場をしっかり分析し、長期的に機能するレンジを設定することが最も重要です。短期間のレンジで設定すると、すぐにレンジを突破してしまい、大きな含み損を抱えるリスクが高まります。
- 余裕資金での運用: グリッドトレードは、含み損を抱えることを前提とした戦略です。ロスカットにならないよう、十分な余裕資金で始めることが絶対条件です。推奨されるのは、想定レンジの最大幅をカバーできるだけの証拠金を用意することです。
- トラップ本数の調整: トラップ本数が多すぎると、含み損が膨らんだ際の必要証拠金が増えます。逆に少なすぎると、取引回数が減り、利益が伸びません。資金とリスク許容度に応じて、適切な本数を設定しましょう。
6. MT5でのハーフ&ハーフ戦略
MT5(MetaTrader 5)は、プロのトレーダーも愛用する高機能な取引プラットフォームです。MT5上で動作する**EA(Expert Advisor)**と呼ばれる自動売買プログラムを使えば、ハーフ&ハーフ戦略を完全に自動化できます。
MT5 EAの利点
- 24時間稼働: コンピュータが市場を監視し、自動で取引してくれるため、日中仕事で忙しい人でも取引機会を逃しません。
- 感情に左右されない取引: 人間の感情(恐怖や欲)に左右されることなく、設定されたルールに従って機械的に取引を行います。
- バックテスト機能: 過去のチャートデータを使って、EAの有効性を事前に検証できます。
ハーフ&ハーフEAの選び方
MT5のマーケットプレイスやネット上には、数多くのグリッドトレードEAが存在します。EAを選ぶ際には、以下の点をチェックしましょう。
- 設定の柔軟性: 中央値、レンジ幅、トラップ間隔、利確幅などを細かく設定できるか。
- 過去の成績(バックテスト結果): 過去の相場でどのようなパフォーマンスを発揮したか。
- レビューや評価: 実際に利用しているユーザーの評判はどうか。
まとめ
ハーフ&ハーフ戦略は、資金効率と精神的安定性を両立させた、グリッドトレードの進化形とも言える手法です。しかし、どのような投資手法にもリスクはつきものです。想定レンジ外への急激な変動や、それに伴うロスカットのリスクを常に意識し、資金管理を徹底することが成功への鍵となります。

ハーフ&ハーフ戦略Q&A
Q. どの通貨ペアが向いていますか? A. レンジを形成しやすい通貨ペアが向いています。例えば、**豪ドル/円(AUD/JPY)やニュージーランドドル/円(NZD/JPY)**などは、比較的値動きが安定しており、グリッドトレードに適しているとされています。
Q. どのくらいの資金で始められますか? A. 設定するトラップの幅や本数、ロット数によって大きく異なります。しかし、急な相場変動に備えるためにも、最低でも10万円以上の余裕資金を用意し、少額ロットから始めることを強く推奨します。
Q. 証拠金はどのくらい必要ですか? A. 必要証拠金は、設定したトラップの本数と、含み損の状況によって変動します。トラリピの公式サイトなどにあるシミュレーターを利用して、想定される最大含み損を計算し、それをカバーできるだけの資金を用意しておきましょう。
グリッドトレードは、一度設定すればあとは半自動で運用できるため、日々のチャートに張り付く必要がありません。ぜひ、この記事を参考に、あなたに合った設定を見つけてみてください。
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EA「TAKO」の設定方法
現在運用中のグリッドトレード設定

オーストラリアドル/ニュージーランドドル(AUDNZD)の運用設定(必要資金20万円)がこちらです。

更に資金を追加して運用した場合の設定がこちらになります。(必要資金20万円~1億円)

複数通貨のグリッドトレード設定
他の通貨ペア・株価指数・金・原油の設定も追加で公開しておきます。(必要資金各20万円)

これらの設定は、個人的な考えや計算方法で作ったものなので利益・損失を補償するものではありません。自分で考え計算したトレード設定をしてトレードを楽しんでください。
EA「TAKO」のパラメーター
MT4のEA「TAKO」のパラメーター
MT4のEA「TAKO」のパラメーターがこちらです。

トレードタイプに「買い」「売り」「ハーフ&ハーフ」の3種類。

トレードモードで「指値注文」「逆指値注文」「指値+逆指値注文」「成行注文」

利確設定は「利確幅(pips)」「利確幅(ATR値)」「ブレークイーブン(pips)」「ブレークイーブン(ATR値)」「トレーリングストップ(pips)」「トレーリングストップ(ATR値)」

MT5のEA「TAKO」のパラメーター
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トレードモードで「指値注文」「逆指値注文」「指値+逆指値注文」「成行注文」

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EA「TAKO」の簡単な解説
下記のチャートがAUDNZDの10年間のチャートです。1.075を中心に上下を繰り返しているのでグリッドトレードEAで運用する場合のリスクが非常に少ないと考えています。

個人的に使うために作り直したので、このグリッドトレードEAはシンプルな設定になっています。そのため、損切り設定はすべて取り除いているので手動で行います。

利確設定のATR値は100日で設定しています。
ブレークイーブン、トレーリングストップのpips設定は、利確幅で設定することができます。